アトピー・アレルギー
どうしてアレルギーが増えているの?
アレルギー体質の子どもたちは年々増加し、3人に1人とも言われています。
その背景には、こんな生活習慣の変化が指摘されています。
- 加工食品や食品添加物の摂取増加
- 抗菌・除菌で腸内細菌バランスの崩れ
- 紫外線対策によるビタミンD不足
- 授乳期の母体栄養のアンバランス
アレルギーは「体の過剰反応」ですが、そのブレーキ役となる“栄養”が不足していると、症状は抑えられません。
アレルギーの原因は「腸」と「栄養」にある
『え、私って栄養失調だったの?』でも、『リーキーガット症候群(腸に穴が空く状態)』がアレルギーの大きな原因であることが述べられています。
- 腸のバリアが壊れる
- 未消化のたんぱく質や毒素が血中に漏れる
- それに対して免疫が過剰反応 → アレルギー発症
さらに、腸内細菌が乱れると、炎症性サイトカインが増加し、全身の免疫が不安定になります。
アトピー性皮膚炎は“栄養から見たSOS信号”

皮膚は「最大の排泄器官」です。体内にたまった毒素・炎症物質・未代謝のアレルゲンが、皮膚を通して表面化するのがアトピーのメカニズムです。
つまり、表面に出ている症状は「内側(腸・肝臓・免疫)の状態を反映している」ということになります。
特に欠乏が見られる栄養素
不足栄養素 | アトピー・アレルギーへの影響 |
---|---|
ビタミンD | 腸の粘膜を強化・免疫バランスを調整・IgE反応の抑制 |
亜鉛 | 肌の再生と粘膜の修復に不可欠 |
オメガ3脂肪酸 | 炎症の抑制(EPA/DHA) |
たんぱく質 | バリア機能と免疫グロブリンの原料 |
ビタミンDは“天然の抗アレルギー因子”
- 腸内のバリア強化
- メンタルホルモン生成を支え、ストレス耐性を高める
- 花粉症・喘息・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーにも効果が期待されている栄養素
しかし、ビタミンDは、日本人の90%以上が不足していると言われており、特に子どもは顕著です。
オーソモレキュラー療法のアプローチ
当院では、次のような流れで体質の根本改善をサポートします。
血液検査とカウンセリング
- ビタミン・ミネラル・鉄・炎症マーカー・腸内環境の指標をチェック
- 原因を“見える化”し、ご家族と共有
個別栄養改善プランの提案
- 食事の工夫・除去食の必要性検討(グルテン・乳製品など)
- サプリメントの安全な選択(年齢・症状に応じた設計)
継続的なフォローアップ
- 栄養状態の経過観察と再評価
- 「ステロイドを減らしたい」「かゆみを抑えたい」などの目標にあわせて柔軟対応
改善例(実録)
小学4年 男児|アトピー性皮膚炎・喘息あり
血液検査でビタミンD・鉄・亜鉛不足と高IgE。2ヶ月でかゆみ軽減、夜ぐっすり眠れるようになり、1年後にはステロイド不要に。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 現在、皮膚科でステロイドを使用していますが、併用できますか?
はい。ステロイドとの併用も可能です。減薬を目指す方も多く通院されています。
Q2. グルテンフリーや除去食をする必要はありますか?
必要な場合のみ、血液検査や栄養解析、問診結果から判断してご提案します。過度な制限は推奨しません。
Q3. サプリメントは高額ですか?
栄養状態によっては食事だけで大きく改善することもあります。状態に応じてサプリメントも選択肢のひとつとなります。予算に応じて設計可能です。必須でなければ無理にご提案することはありません。
執筆者


執筆者
総院長 / 七夕医院
医療法人梶の木会総院長 梶 尚志
分子整合栄養医学(オーソモレキュラー医学)に出会い、「人間の体は全て栄養からできている」という原理原則を学び、「薬を使わない治療、栄養療法」を実践、小児の不登校や発達障害、そして、女性の不定愁訴や不妊症、男性更年期といった、通常の治療ではなかなか解決できない悩みを解決。
取得資格
医学博士 / 日本内科学会 認定総合内科専門医 / 日本腎臓学会 認定腎臓専門医 / 日本プライマリ・ケア連合学会 認定医・指導医 / 日本抗加齢医学会 専門医 / 日本医師会 認定産業医 / 日本医師会 認定健康スポーツ医 / オーソモレキュラー・ニュートリション・ドクター(OND)