低身長
低身長と判断されるのはどんなとき?

医学的に「低身長」とは、成長曲線の−2SD(標準偏差)以下に該当する状態を指します。
ただし、−1.5SD程度でもご家庭で不安を感じるケースは多く、保護者の早期相談が非常に有効です。
成長ホルモンだけではなく「材料」が必要
身長を伸ばすにはホルモン(命令)とともに「からだを構築する『材料』」が不可欠です
成分 | 役割 | 不足による影響 |
---|---|---|
たんぱく質 | 骨・筋肉・酵素・ホルモンの原料 | 筋肉量の少なさ、免疫力の低下、ホルモン合成不良 |
亜鉛 | 成長ホルモン受容体の活性化 | 成長速度の鈍化、傷の治りにくさ |
ビタミンD | 骨の石灰化促進・カルシウム吸収 | 骨の形成障害、くる病 |
鉄・ビタミンB群 | 酸素運搬・エネルギー代謝 | 疲れやすさ、集中力低下、発育不全 |
“食べているのに伸びない”原因とは?
「たくさん食べているのに…」という子ほど、「質的な栄養失調(必要な栄養成分が足りていない状態)」が隠れているケースが多くあります。
- 糖質過多:エネルギーはあるが、材料不足
- ジャンクフード中心:ミネラル・ビタミンが極端に少ない
- 偏食:同じ食材ばかりで栄養のバランスが偏っている
つまり、食事の“量”だけでなく“質”が重要なのです。
オーソモレキュラー療法による栄養サポート
血液検査で栄養状態を可視化
- 鉄・亜鉛・たんぱく質・ビタミンD・B群をチェック
- 骨代謝・炎症・腸内環境の状態も評価可能
食事アドバイスとレシピ提案
- 朝に“たんぱく質+脂質”を足すだけのメニューから提案
- 「背を伸ばす子が食べている食事」を家庭に合った形で提供
必要に応じたサプリメントで成長をサポート
- 子どもに合わせた安全設計(無添加・小児用サプリメントの対応)
成長促進の実例と保護者の声
小学5年 男児|−1.8SD→半年後 −0.8SDへ改善
鉄・ビタミンD・たんぱく質不足が明らかに。朝食見直し+鉄・亜鉛補給で成長スパートが再開。
母親の声
「牛乳を飲ませればいいと思っていたけど、それだけでは足りなかったと知って驚きました。「やっと成長期がきた!」と子ども自身が喜んでいます。」
よくある質問(FAQ)
Q1. 成長ホルモン治療が必要なレベルではないのですが相談できますか?
はい。「経過観察」と言われたケースほど、栄養介入で成長曲線が変化することが多々あります。
Q2. サプリメントは必須ですか?
栄養状態によっては食事だけで大きく改善することもあります。状態に応じてサプリメントも選択肢のひとつとなります。
Q3. 兄弟で身長差が大きく、親として気になります…
ご兄弟で検査・フォローも可能です。栄養の個人差を丁寧に分析します。
執筆者


執筆者
総院長 / 七夕医院
医療法人梶の木会総院長 梶 尚志
分子整合栄養医学(オーソモレキュラー医学)に出会い、「人間の体は全て栄養からできている」という原理原則を学び、「薬を使わない治療、栄養療法」を実践、小児の不登校や発達障害、そして、女性の不定愁訴や不妊症、男性更年期といった、通常の治療ではなかなか解決できない悩みを解決。
取得資格
医学博士 / 日本内科学会 認定総合内科専門医 / 日本腎臓学会 認定腎臓専門医 / 日本プライマリ・ケア連合学会 認定医・指導医 / 日本抗加齢医学会 専門医 / 日本医師会 認定産業医 / 日本医師会 認定健康スポーツ医 / オーソモレキュラー・ニュートリション・ドクター(OND)