チック・トゥレット症候群
チック症・トゥレット症候群とは?
チック症
突発的で繰り返される運動や音声の習慣的な出現(まばたき、顔をしかめる、咳払いなど)。
トゥレット症候群
複数の運動チック+音声チックが1年以上続く状態。
特徴

- 一時的に軽快するが、再発を繰り返す
- ストレス・緊張・疲労で悪化しやすい
- ADHDや強迫性障害を併発するケースも多い
脳内ドーパミンとチックの関係
チック症の発症には、脳内ドーパミンの過活動が深く関わっているとされています。
神経伝達物質 | 働き | チックとの関係 |
---|---|---|
ドーパミン | 動き・感情・報酬を司る神経伝達物質 | 分泌過多や受容体感受性の亢進がチックを悪化させる |
そしてこのドーパミン代謝には、以下の栄養素が必要です。
- 鉄
- 亜鉛
- ビタミンB6
- マグネシウム
- ビタミンC
- たんぱく質
食事と栄養が症状に影響する理由
- 砂糖・人工甘味料・添加物の多い食事
- 偏食・たんぱく質不足による神経回路の不安定化
- 鉄・亜鉛・B6の欠乏によるドーパミン暴走
「症状を抑える」のではなく、「脳が暴走しない状態を作る」のが本質的なケアです。
オーソモレキュラー療法による非薬物的アプローチ
血液検査と栄養解析
- 鉄・亜鉛・ビタミンB6・ビタミンC・ホモシステインなどを評価
- 必要に応じて腸内環境や慢性炎症の指標もチェック
食事の見直し+“神経を落ち着ける”栄養指導
- 朝食のたんぱく質強化、鉄分ちょい足し
- 砂糖・添加物のコントロール(禁止ではなく“賢く避ける”提案)
- おやつの提案や家族で取り組めるレシピも提供
必要に応じて栄養補助(医師管理下)
- B6・マグネシウム・グリシン・EPA / DHA など、症状に応じて設計
- お子さまの年齢・嗜好・継続可能性を最重視
改善例と親御さんの声
9歳 男児|まばたきチック+咳払い+集中困難
鉄・亜鉛・B6・マグネシウムの欠乏あり。3か月間の栄養介入でチック頻度が週3→週1に。本人の自己肯定感も向上。
母親の声:
「毎晩チックの回数を記録していましたが、ある日“今日は1回もなかった!”と本人が教えてくれて…。涙が出ました。」
よくある質問(FAQ)
Q1. チックは自然に治ることもあると聞きましたが…?
はい。ただし栄養不足・ストレス・環境要因が残っていると再発を繰り返します。整えることで「治りやすい環境」をつくることが重要です。
Q2. 現在、薬を使用していますが併用できますか?
もちろん可能です。医師の監督下で、必要があれば減薬サポートも行います。
Q3. 学校や周囲に説明しても理解されづらく困っています…
ご希望の方には医師が文書を発行し、学校と連携した支援体制構築もサポート可能です。
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執筆者


執筆者
総院長 / 七夕医院
医療法人梶の木会総院長 梶 尚志
分子整合栄養医学(オーソモレキュラー医学)に出会い、「人間の体は全て栄養からできている」という原理原則を学び、「薬を使わない治療、栄養療法」を実践、小児の不登校や発達障害、そして、女性の不定愁訴や不妊症、男性更年期といった、通常の治療ではなかなか解決できない悩みを解決。
取得資格
医学博士 / 日本内科学会 認定総合内科専門医 / 日本腎臓学会 認定腎臓専門医 / 日本プライマリ・ケア連合学会 認定医・指導医 / 日本抗加齢医学会 専門医 / 日本医師会 認定産業医 / 日本医師会 認定健康スポーツ医 / オーソモレキュラー・ニュートリション・ドクター(OND)